リリウム―空飛ぶタクシー開発で9000万ドル調達―

電力で動く垂直離着陸(VTOL)機の開発を手がける独新興企業リリウムは5日、事業資金9,000万ドルを調達すると発表した。5人乗り製品の開発に当て、空飛ぶタクシーとしての実用化を目指す。

VTOLは垂直に離着陸する航空機の技術。リリウムの製品は動力源にもっぱら電力を用いるほか、プロペラでなくジェットを推進機関としている点が競合と異なる。

同社は4月、電動垂直離着陸(eVTOL)機のテスト飛行に世界で初めて成功した。このときは2人乗りの機材を用いた。今後は5人乗りの製品開発を進め、市場投入を目指す。最高速度は時速300キロで、航続距離は最大300キロメートルとする予定だ。ダニエル・ヴィーガント社長は『フランクフルター・アルゲマイネ』紙に、「競合が開発する試作機(VTOL機)の大半は航続距離が短く速度も遅い」と述べ、技術の高さをアピールした。

リリウムに今回資金を提供するのは中国のインターネット大手テンセント(騰訊)、リヒテンシュタインのプライベートバンクLGT、欧州ハイテクファンドのアトミコ。アトミコはリリウムにすでに1,000万ドルを出資している。

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