ダイムラー、全モデルでEV・HV投入

自動車大手の独ダイムラーは11日、乗用車部門で電気駆動車を大幅に拡充する方針を打ち出した。BMWも同様の計画を7日に打ち出したばかり。ダイムラーは超小型車ブランド「スマート」を2020年から電気自動車(EV)に一本化することも明らかにしており、独自動車メーカーの電気駆動車攻勢が本格化してきた。

ダイムラーは「メルセデス」ブランドの全モデル(計50以上)で22年までにEVないしハイブリッド車(HV)の販売を開始する。従来計画では同年までにEVを10モデル以上、投入するとしていた。

EVは電池コストが高く、これが普及のネックとなっていることに関しては、今後は同コストが急速に低下し、25年までにはEVをガソリン車やディーゼル車と同程度の費用で生産できるようになるとの見方を示した。

経営陣はまた、EV・HVモデルの種類を増やすと乗用車部門の売上高営業利益率が圧迫される見通しを明らかにした。当面の投資額が膨らむためで、フランク・リンデンベルク取締役(財務担当)は同利益率が現在の10%から8%に下落する恐れがあると指摘。コストを25年までに40億ユーロ以上、圧縮する考えを示した。生産・固定費のほか、今後10年間の研究開発費を切り詰めることで実現する。研究開発費は今後数年、増やすとしていることから、同コストの削減は数年後から始まることになる。

同社はさらに、EV・HVの利益率は当面、低くとどまることから、乗用車部門で一定水準以上の利益率を確保するためにはガソリン車とディーゼル車が今後も欠かせないとの見解を示した。

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