ドイツ連邦統計局が26日発表した8月の輸入物価指数は前年同月比2.1%増となり、上げ幅は6カ月ぶりに拡大した。物価の35%を占める中間財が4.0%上昇したことが最大の押し上げ要因。同13%強を占めるエネルギーもプラス9.4%と伸び率が大きかった。エネルギーを除いた輸入物価の上昇率は1.4%だった。
中間財では鉄鉱石と非鉄金属鉱石がそれぞれ13.3%、23.7%上昇。銑鉄・鉄鋼・鉄合金と非鉄金属も各17.3%、8.9%上がった。ニッケルは1.9%、貴金属は6.9%それぞれ下落している。金属以外では化学原料が6.4%上昇。電子部品は1.4%低下した。
エネルギーでは石炭がプラス36.2%、石油製品がプラス14.6%と2ケタ台の伸びを記録。電力は9.4%、原油は7.0%、天然ガスは3.3%上昇した。
非耐久消費財は0.9%高くなった。上げ幅が特に大きかったのは牛乳・乳製品で19.3%上昇。家禽を除く食肉も6.1%上がった。加工済みカカオは28.2%下落した。
農産物では生カカオの低下率が37.4%と大きかった。天然ゴムは14.2%上昇した。
投資財は0.7%下落した。通信機器・設備が5.3%低下。スマートフォンは20.6%安くなった。耐久消費財は0.8%落ち込んだ。
8月の輸入物価は前月比では変動がなく、5カ月続いた下落に歯止めがかかった。エネルギーはプラス1.7%で、エネルギーを除いた輸入物価の変動率はマイナス0.2%だった。
8月の輸出物価は前年同月比がプラス1.5%。前月比はマイナス0.1%となり、4カ月連続で低下した。