排ガス不正問題でVWが引当金積み増し

自動車大手の独フォルクスワーゲン(VW)は29日、7-9月期(第3四半期)の営業利益が大幅に押し下げられることを明らかにした。排気量2リットルのディーゼル車を対象とした排ガス不正問題の和解に伴う費用が膨らんでいるためで、引当金を新たに25億ユーロ計上する。排ガス不正問題絡みの引当金総額は251億ユーロに拡大することになる。

VWグループでは「EA189」というディーゼルエンジンの搭載車に違法ソフトがインストールされていたことが米当局の発表で2015年9月に発覚した。VW、アウディ、ポルシェの計3ブランドの2リットル、3リットルエンジン車が該当している。

2リットルエンジン車をめぐっては昨年、米国とカナダで顧客などとの間で和解が成立。VWは補償金を支払うほか、(1)車両を修理して環境基準を順守できるようにする(2)車両を買い取る――のどちらかを顧客が選択できるようにした。

VWによると、当初予想していたよりも修理が技術的に難しいうえ、時間もかかることから引当金の積み増しが避けられなくなった。

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