エア・ベルリンの部分買収でルフトハンザが合意

8月に経営破たんした独航空2位のエア・ベルリンは12日、独1位のルフトハンザ航空が同社の資産の大部分を買収することで合意したと発表した。エア・ベルリンは28日に運航を停止することになっており、他の資産についても現在、英格安航空(LCC)大手イージージェットと売却交渉を行っている。

ルフトハンザはエア・ベルリン本体の機材20機と同子会社のルフトファールトゲゼルシャフト・ワルター(LGW)、ニキを取得する。取引金額は約2億1,000万ユーロで、エア・ベルリンはその一部を経営破たん後に政府から受けた融資(1億5,000万ユーロ)の返済に充てる。

ルフトハンザはエア・ベルリンから取得する資産をLCC子会社ユーロウイングスに統合し、競合ライアンエアやイージージェットに対抗できる体制を構築する。カルステン・シュポール社長は『ハンデルスブラット』紙に「わが社はユーロウイングスの成長に向けて総額15億ユーロを投資し、それによって3,000人の新規雇用を創出する」と明言した。

今回の取引の成立にはエア・ベルリンの債権者のほか、欧州連合(EU)欧州委員会の承認が必要となるが、独禁法上の懸念が大きいため欧州委の承認取得は難航が予想される。

ドイツの国内・EU線に占めるルフトハンザのシェアは現在49%に達する。今回の取引が成立すると、同社のシェアは一段と拡大し、市場競争が適切に機能せず運賃の上昇につながる可能性がある。

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