メルセデスが競合との差を拡大、1-9月期販売11.7%増に

独高級乗用車3社の1-9月期販売統計が13日に出そろった。ダイムラーの乗用車ブランド「メルセデス・ベンツ」が好調で、前年同期比11.7%増の171万7,300台と2ケタ台の伸びを記録。競合BMW、アウディとの差を拡大した。世界最大の中国と足元の欧州市場で販売を大幅に伸ばしたことが大きい。

メルセデスの中国販売は29.9%増の44万2,899台に拡大。欧州も8.0%の伸びを記録した。メルセデスに超小型車ブランド「スマート」を加えた「メルセデス・ベンツ・カーズ」の乗用車販売台数は181万7,914台で、前年同期を10.6%上回った。スマートは4.8%減の10万614台だった。

「BMW」ブランドの販売台数は153万7497台で、増加幅は3.9%だった。BMWに「ミニ」と「ロールスロイス」ブランドを加えたグループ全体の乗用車販売台数は3.7%増の181万1,234台にとどまり、メルセデス・ベンツ・カーズをやや下回った。ミニは2.8%増の27万1,394台、ロールスロイスは10.7%減の2,343台だった。グループの電気駆動車販売台数は64.2%増の6万8,687台と大きく伸びた。

BMWとミニの合計販売台数を地域別でみると、中国は15.1%増加。ラテンアメリカも7.8%増と好調だった。欧州は1.1%増で、米国は5.2%減と振るわなかった。

アウディの販売台数は2.0%減の138万800台へと落ち込んだ。同社最大の市場である中国で4.9%減少したことが響いた格好だ。

背景には上海汽車(SAIC)と共同で現地に合弁生産会社を設立すると明らかにしたことがある。これを受けて、第一汽車(FAW)との現地合弁系のディーラーはアウディ車の取扱台数が減少すると懸念。抗議の意を示すために、輸入アウディ車の販売をボイコットしたことから、同国販売が大幅に落ち込んだ。アウディは5月に中国の販売代理店の代表と和解合意しており、減少幅は1-6月期(12.2%)に比べると大幅に縮小した。9月は前年同月比7.2%の伸びを記録している。

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