保険大手の独アリアンツは19日、台湾子会社の安聯人寿保険(Allianz Taiwan Life Insurance)が保有する生保契約およそ7万8,000件を現地同業の中国人寿保険(同名の中国生保会社とは無関係)に売却することで合意したと発表した。取引金額は象徴的な1台湾ドル(3.72円)。アリアンツは当初、同生保契約を台湾人寿保険(Taiwan Life Insurance)に譲渡することで合意していたが、現地金融監督当局の承認を得られなかったため、中国人寿保険に売却する。今回の取引でも同当局の承認が必要となる。
アリアンツは保険会社を対象とする欧州の新資本規制「ソルベンシー2」が昨年1月に施行されたことを踏まえて台湾の生保契約を部分放出し、財務負担を軽減する。
ソルベンシー2では長期の利回り保証付き生保商品について自己資本を高く積み立てることを保険会社に義務づけていることから、アリアンツはそうした生保商品を減らす方向に動いている。中国人寿保険に譲渡する既存契約の保証利回りは年4%以上と高い。