ドイツ世帯の可処分所得に占める住居費の割合は2015年時点で24.1%に上り、欧州平均と同水準であることが、連邦統計局の最新年報で明らかになった。雇用の安定・拡大を背景に所得が拡大していることから、05年に比べ0.3ポイント低下。01年比では低下幅が0.8ポイントに達した。住居費には家賃・住宅ローンのほか、水道光熱費が含まれる。
可処分所得に占める住居費の割合が40%を超える「住居費過剰負担世帯」の割合は15.8%の上り、欧州連合(EU)平均の11%を大幅に上回った。ただ、ピーク時の12年に比べると0.8ポイント減少しており、家賃の上昇が家計を圧迫しているとの議論を裏付ける根拠は少なくとも15年時点では存在しないもようだ。
持ち家比率(世帯構成員数ベース)をみると、ドイツは52%にとどまり、欧州平均の70%を大幅に下回った。同比率が高いのは東南欧と東欧諸国で、ルーマニアは96%、クロアチアは90%、ポーランドは84%に達した。南欧のスペインとイタリアはそれぞれ78%、73%で、英国(64%)、フランス(64%)、オランダ(68%)は60~70%の範囲に収まっている。
ドイツの可処分所得に占める食品・ノンアルコール飲料の割合は10.5%で、ここでも欧州平均(12.3%)を大きく下回った。同割合は低所得国で高く、ルーマニアは29%、ポーランドは17%に上った。イタリアは15%、フランスは13%で、英国とアイルランドは10%未満にとどまった。
EU加盟国の15年の実質購買力をみると、ドイツはランキング4位で、前年の7位から順位を大きく上げた。上位3カ国はルクセンブルク、デンマーク、アイルランド。スウェーデンとフィンランドは名目賃金でドイツを上回るものの、物価が高いため実質購買力がドイツよりも低い。