スウェーデンの自動車大手ボルボ・カーは17日、電気自動車(EV)主体の独自ブランド「ポールスター」の新型車を中国で生産すると発表した。親会社である中国の浙江吉利控股集団と共に50億元(約850億円)を投じてポールスターの開発を加速させ、高級EVで先行する米テスラなどに対抗する。
ボルボは同日、上海で新型車「ポールスター1」を発表した。ガソリンエンジンとモーターを併用するプラグインハイブリッド車(PHV)の4人乗りクーペで、1回の充電で150キロメートルのEV走行が可能。投資資金の一部を四川省成都の工場建設に充て、2019年半ばに同モデルの本格生産を開始する。その後、小型の「ポールスター2」と多目的スポーツ車(SUV)タイプの「ポールスター3」も順次、生産を開始する計画。「2」以降はボルボ初の完全EVとなる。
ボルボは今年6月、高性能車部門だったポールスターをEVなどに特化した電動化ブランドとして独立させ、7月には他の有力メーカーに先駆け、19年以降に発売するすべての新型車をEVやハイブリッド車(HV)にすると発表した。
サミュエルソン会長は新車発表会で「当グループではEVとガソリン車を並行して開発することは不可能だ。消費者が求めているのはEVだと考えている」と強調。英国とフランスが40年までにガソリン車やディーゼル車の販売を禁止する方針を打ち出し、中国やインドも同様の措置について検討を進めるなか、ポールスターの開発を加速させてEV需要の取り込みを図る考えを示した。