化学大手の独ヘンケルは27日、サロン向けヘアケア事業を展開する資生堂の米子会社ゾートス・インターナショナルを完全買収することで合意したと発表した。北米でプロ用ビューティ事業を強化する方針に基づく措置。独禁審査などを経てゾートスの全株式を現金4億8,500万ドルで譲り受ける。
ゾートスはコネチカット州デリエンに本社を置く企業。「ジョイコ(Joico)」「ゾートス・プロフェッショナル」などのブランドで北米を中心にサロン向けの製品を製造・販売している。従業員数は約700人。昨年は2億3,332万ドルを売り上げ、純利益975万ドルを計上した。
資生堂は事業を選択・集中する方針に基づいて同子会社を放出する。売却益をプレステージ領域などの最重要ブランド育成や生産体制の強化に充てる。
ヘンケルは北米のプロ用ビューティ事業を強化しており、2014年にはセクシーヘア、オルタナ、ケンラの3社を買収。今年9月にはメキシコのプロ用ヘアケア製品メーカー、ナチュラ・ラボラトリオスを傘下に収めた。