英政府統計局が25日発表した2017年7~9月期の国内総生産(GDP、速報値)は前期比0.4%増となり、伸び率は前期の0.3%から0.1ポイント拡大した。成長率は市場予測の0.3%を上回った。英国の物価がポンド安で上昇している中、景気がわずかながら拡大したことで、英中銀のイングランド銀行が11月に利上げに踏み切るとの見方が強まっている。
分野別では、英経済の柱でGDPの約8割を占めるサービス業が0.4%増と、前期と同水準の伸びとなった。また、前期にマイナスだった製造業が1%増と持ち直した。建設業は0.7%減だった。
英経済は同国のEU離脱が決定してからも堅調を維持し、2016年には1.8%の成長を記録した。しかし、その後は減速していた。離脱に伴うポンド安の進行で輸入コストが増大し、消費者物価が上昇して個人消費を圧迫していることが背景にある。
一方、英中銀はインフレ率が目標を1ポイント上回る3%に達したことから、金融引き締めを検討している。EU離脱が英経済に及ぼす影響が懸念されているものの、景気が底堅いことが確認されたことで、11月2日の理事会で10年ぶりの利上げを決めるのが確実な情勢。市場では政策金利を0.25%から0.5%に引き上げるとの観測が浮上している。