除草剤成分「グリホサート」、認可更新の採決見送り

EU加盟国は25日、米農薬大手モンサントの除草剤「ラウンドアップ」の主成分で、発がん性が疑われる除草剤成分「グリホサート」の認可更新に関する採決を見送った。欧州委員会は5~7年の認可延長を提案していたが、フランス、イタリア、オーストリアなどが認可更新に反対しており、合意形成は困難と判断した。加盟国は11月6日に各国の専門家で構成する特別委員会を開き、採決を行う見通しだ。

グリホサートをめぐっては、世界保健機関(WHO)の国際がん研究機関(IARC)が2015年、発がん性の恐れがあるとする報告書を公表した。これに対し、WHOと国連食糧農業機関(FAO)の合同専門委員会は同年、食物摂取を通じた曝露による発がんリスクは「恐らくない」との結論をまとめており、国際機関の間で安全性に関する評価が分かれている。

EU市場では12月15日にグリホサートの認可期間が終了するため、欧州委は当初、10年間の認可延長を提案していた。一方、グリホサートの安全性を懸念する欧州議会は23日、新たな認可期間を5年とし、2022年以降は域内での使用を禁止する決議を採択。これを受け、欧州委は最大7年の認可延長を認めるよう勧告していた。

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