自動車大手フォルクスワーゲン(VW)の金融子会社VWファイナンシャル・サービシズ(ブラウンシュヴァイク)は10月26日、中古車仲介サイト「ヘイカー(HeyCar)」を立ち上げたと発表した。中古車仲介サイト市場は開拓の余地が大きいと判断したためで、先行するモバイル・デーエー、オートスカウト24を追撃する考えだ。
ヘイカーの運営会社モビリティ・トレーダーをベルリンに設立した。仲介に当たっては出展する自動車販売事業者と車両を厳選。消費者が安心して購入できるようにした。VWグループ以外のブランドも取り扱っている。競合と異なりサイトには広告が一切、掲載されていない。
年末までに契約先の自動車販売店を100社以上に増やし、出展車両数を現在の5万台から7万台強に拡大する計画だ。長期的には20万~30万台を目指す。
ドイツの中古車仲介サイト市場ではモバイル・デーエーとオートスカウト24のシェアが計90%を超える。モビリティ・トレーダーは出展事業者と車両の信頼性を保証することで、シェアを奪い取っていく方針。
VWグループがヘイカーを立ち上げたことに対しては、ディーゼル車の需要急減を受けて山積みとなっている販売店の在庫を処分するのが狙いだとの見方もある。これに対しVWファイナンシャル・サービシズは、融資・保険・リースの契約残数を2025年までに現在の1,900万件から3,000万件に拡大する目標を達成する手段の一つとしてヘイカーを立ち上げたと説明している。