化学業界が生産見通し引き上げ

独化学工業会(VCI)は2日、需要堅調を受けて同国化学・製薬業界の今年の生産成長率を従来予測の1.5%から2.0%へと引き上げた。クルト・ボック会長(BASF社長)は「2017年はドイツの化学業界にとって良い年となる」と明言した。

出荷価格については7-9月期(第3四半期)に前期比0.7%減となったことを踏まえ、従来のプラス3.5%からプラス3.0%へと下方修正。売上高は5%増の1,940億ユーロに据え置いた。

第3四半期の売上高は前期比0.4%増の465億ユーロに拡大した。出荷価格は低下したものの、生産高が1.3%増加し、売り上げが押し上げられた格好。国外売上高が0.5%、国内が同0.2%の幅で伸びた。工場稼働率は85.6%に達し、3四半期連続で長年の平均を上回った。

ボック会長はキリスト教民主・社会同盟(CDU/CSU)と自由民主党(FDP)、緑の党の3会派が政権交渉を進めていることを踏まえ、次期政権には電力価格の安定や投資・研究開発の促進など成長強化の産業政策を期待したいと注文を付けた。

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