塗料大手アクゾ、米アクサルタとの合併交渉を確認

塗料世界最大手のアクゾノーベル(オランダ)と米同業アクサルタ・コーティング・システムズは10月30日、合併協議を行っていることを明らかにした。合併が実現すると時価総額が約300億ドルに上る巨大塗料メーカーが誕生する。

アクゾは「デュラックス」や「ハンマーライト」などのブランドで知られる塗料メーカー。アクサルタは自動車用塗料に強みを持つ企業で、大型トラック用塗料では北米市場で最大のシェアを持つ。

アクゾノーベルによると、同社の塗料・コーティング剤部門とアクサルタが統合する形での交渉を進めている。時価総額はアクゾノーベルが195億ユーロと、アクサルタの81億米ドル(約69億ユーロ)の3倍に上るが、対等合併する方向で交渉を行っているという。

アクゾノーベルは今年に入って、塗料世界2位の米PPGインダストリーズから買収提案を受けたが拒否した。アクサルタとの合併には、PPGが再び買収に乗り出すのを防ぐ狙いもあると見られる。

PPGによる買収の受け入れを株主に迫られたアクゾノーベルは、独立維持に対する株主の支持を取り付けるため、4月に特殊化学部門を切り離して株主価値を高める方針を打ち出していた。同社は同部門の分離を予定通りに進め、得た利益の大半を株主に還元する計画だ。

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