欧州で昨年、販売された新車の実際の燃料消費量はメーカー提示値を42%上回ったもようだ。環境シンクタンク国際クリーン交通委員会(ICCT)の調査をもとに独フンケメディアグループが報じたもので、実際走行値とメーカー提示値の差は2006年の14%から大幅に拡大したことになる。
欧州では自動車の燃費・排ガス量をこれまで、もっぱら台上試験で測定されてきた。メーカーはこれを受け、台上試験に照準を合わせてモデルを開発してきたことから、実際の走行と台上試験との数値の差が年々、拡大したとみられる。
独自動車大手フォルクスワーゲン(VW)のディーゼル車排ガス不正問題の発覚を受け、欧州連合(EU)では燃費・排ガス試験の方法が厳格化され、9月からは新たに型式認証を受ける新型車に路上試験が義務づけられるようになった。2019年9月からは域内で販売されるすべての新車に対象が拡大される。ICCTはこれを踏まえ、今後は実際走行値とメーカー提示値の差が縮小するとの見方を示した。
ICCTはVWの排ガス不正を突き止めたことで知られる。