チェコ国営電力CEZは10月31日、ブルガリアのヴァルナ火力発電所を現地企業シグマに売却すると発表した。同国事業全体の売却計画の一環。最終売却価格は運転資金の水準に基づき決定される。当局の承認を経て取引が成立する。
CEZは2006年にヴァルナ火力発電所を買収し、1億ユーロを投じて出力を1,260メガワットに引き上げるなど整備を行った。しかし15年1月以降は環境規制に準拠していないために同発電所を閉鎖している。
CEZは今年8月、ブルガリア事業に対し複数の企業から拘束力のある入札を受けたことを明らかにしたものの、具体的な企業名は伏せていた。
チェコ経済紙『ホスポダールスケ・ノヴィニ』によると、CEZのパシス会長は「元々はブルガリア事業をまとめて売却することを計画していたが、ヴァルナ火力発電所の入札のメリットが大きいため、段階的に売却を進める」と述べた。
CEZのブルガリア事業はヴァルナ火力発電所のほか、電力供給会社のCEZディストリビューションとCEZエレクトロ、卸事業のCEZトレードから成っている。