仏政府、ルノー株の一部を売却

フランス政府は2日、仏自動車大手ルノーの全株式のうち4.7%にあたる1,400万株を売却したと発表した。仏政府は財政赤字の削減に向けて100億ユーロ規模の資産売却計画を打ち出しており、ルノー株の一部売却もその一環。政府は引き続き筆頭株主の地位を維持するが、持ち株比率は19.7%から15.0%に低下した。

仏政府は2015年、ルノーへの経営関与を強めるため同社の株式4.7%を追加取得した。14年に制定されたフロランジュ法(株式を2年以上保有する株主の議決権を2倍にできる制度)の適用を株主総会で承認させるのが狙いで、当時、経済産業デジタル相を務めていたマクロン大統領が主導した。同氏は政府の出資比率を高めた上で、ルノーと資本提携する日産との経営統合を迫ったが、日産側が強く反発。仏政府は日産の経営に関与しないことを約束し、買い増したルノー株については株価の推移をみて売却すると説明していた。

今回の株式売却により、仏政府の持ち株比率は買い増し前の水準に戻った。国家投資庁(APE)によると、売却額は約12億ユーロに達し、15年の取得額と比べて5,500万ユーロ超の利益が出た。なお、ルノーは1割にあたる140万株を買い取っており、従業員らに株式を割り当てる方針を示している。

上部へスクロール