デジタル地図のヒアがOTA技術の独社買収

デジタル地図大手の蘭ヒア・テクノロジーは28日、自動車業界向けのセキュアなソフトウェア・アップデート(OTA)技術を開発する独ソフトウエア会社ATSアドバンスド・テレマティック・システムズを買収すると発表した。自動車向け位置データ/クラウドサービスのプロバイダーとしての競争力を強化する狙い。契約条件は非公開とすることで合意した。来年第1四半期の買収手続き完了を見込む。

OTAはコネクテッド・カー/自動運転車の可能性を最大限に活用するために不可欠な技術。ATSはデータ、ソフトウエア、ファームウェアをセキュアかつコスト効果の高い方法で多くの車両に配信するオープンソースおよびオープンスタンダードのOTA技術に特化し、自動車メーカーや関連業界に提供している。

ATSの主力OTAソリューションはコネクテッド・カーを対象とした更新へのサイバー攻撃を防ぐ目的で米国の国土安全保障省が発案し、資金を提供するOTAセキュリティフレームワーク「Uptane」に対応している。

ヒアは車載製品ポートフォリオのひとつとして、ATSのOTA技術の開発と提供を継続するとともに、同社の他の事業分野にもその技術の利点を応用する予定。将来的には、ドローンや他のコネクテッド・デバイスへの地図/ソフトウェア・アップデートのセキュアな配信にも役立てる。

ヒアのラルフ・ヘルトヴィッヒ上級副社長は、「データやソフトウエアの配信は、コネクテッド・カーや自動運転車の普及に伴い、自動車業界の将来の成功を決める重要な要素だ」と述べ、ATS買収の戦略的な意義を強調した。

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