仏アトス、蘭サイバーセキュリティ大手に買収提案

仏IT大手のアトスは11日、サイバーセキュリティ大手のジェムアルト(オランダ)に43億ユーロでの買収を提案したと発表した。急成長が見込めるモノのインターネット(IoT)分野のセキュリティ事業を強化する狙いがあるが、ジェムアルトは13日に拒否を表明した。

アトスは11月28日に買収を提案した。1株当たりの買い取り価格は46ユーロ。直近の終値に46%を上乗せした水準となる。

ジェムアルトは携帯電話やクレジットカードなどのICチップで知られる企業。同分野での実績を通じて、サイバーセキュリティのソリューションも手掛け、同分野で世界有数の企業となっている。ただ、このところスマートフォンの販売鈍化などでICチップ部門の業績が悪化し、株価が低迷している。

アトスによると、ジェムアルトに8.51%を出資する大株主の仏BPIフランス(公的投資銀行)は、買収提案を支持している。しかし、ジェムアルトは買収額が同社を「著しく過小評価している」として、応じない意向を表明した。

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