デジタル地図大手のヒア(オランダ)は4日、独自動車部品大手のボッシュとコンチネンタルが同社にそれぞれ5%を出資すると発表した。コンチネンタルとは自動車分野での協力関係を拡大する。ボッシュとはデータを活用したサービスでシナジー効果を引き出す考えで、協力分野は自動車以外の分野にも及ぶ。
ボッシュとコンチネンタルはヒアの主要株主である自動車大手アウディ、BMW、ダイムラーから株式を取得する。取引金額は非公表。
ヒアは自動運転や車両のIoT化に欠かせない高精細地図の有力企業。コンチネンタルとは交通・周辺環境情報をリアルタイムで収集し車両が走行する先の道路や通行環境を事前に通知するシステムの分野で協働している。両社は今後、この分野での協力関係を拡大するとともに、新たな分野でも技術開発に共同で取り組む考えで、コンチネンタルはソフト開発、サイバーセキュリティ、ヒアは高精細地図、ソフト、クラウドサービスなどのノウハウを持ち寄る。
ボッシュは車載レーダー・画像センサーで取得した道路情報をリアルタイムで活用する技術を持ち、すでにヒアの競合であるトムトムやオートナビなどと協働している。今後はヒアともこの分野で協力することを検討する。
また、つながる工場インダストリー4.0、スマートホーム、スマートシティの分野でもヒアと協働する考え。具体例としては工場内の高精細地図を利用して原料や半製品の流れを自動化・効率化したり、外部のメインテナンス技術者を作業現場まで案内する技術の開発を挙げた。
ヒアはボッシュとの提携により、自動車以外の分野で事業を本格化。また、ボッシュがアメリカ大陸、アジア、欧州に持つ事業網を活用してグローバル化を進める考えだ。