デンマーク製薬ノボ・ノルディスク、アブリンクス買収提案

デンマーク製薬大手のノボ・ノルディスクは8日、ベルギー同業アブリンクスに26億ユーロでの買収を提案したと発表した。血液疾患治療薬部門の強化が狙いだが、アブリンクスは買収額を不満として拒否している。

アブリンクスは血栓性血小板減少性紫斑病の治療薬「カプラシズマブ」など血液系の難病の治療薬で知られるメーカー。インスリンをはじめとする糖尿病治療薬、肥満治療薬が主力でありながら、血液疾患治療薬の強化を図るノボ・ノルディスクは、12月に水面下でアブリンクスに買収を打診したが、受け入れられなかったため、条件を引き上げた上で、買収提案を行ったことを公表した。

1株当たりの買い取り価格は28ユーロ。アブリンクスによる新薬開発の進展状況に応じて最大2.5ユーロを上乗せする。計30.5ユーロという価格は、最初の提案を行った直前(12月6日)の終値に60%を上乗せした水準だ。しかし、アブリンクスは同日、取締役会が「当社の価値を著しく過小評価している」として、全会一致で拒否を決めたと発表した。

アブリンクスの株価は同日、他社がノボ・ノルディスクに対抗して買収に乗り出すとの観測が浮上したことを受けて、45%高の30.8ユーロに急騰した。

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