ネット保険分野のスタートアップ企業である独ワン(One)は1日、同社初の保険商品の販売を開始した。事業免許を1月中旬に独金融監督庁(BaFin)から取得しており、オットノバ(Ottonova)、エレメント(Element)に続くドイツで3社目の独立系ネット保険事業者となる。『ハンデルスブラット』紙などが同社役員への取材をもとに報じた。
ワンが売り出したのは個人賠償責任保険(Haftpflichtversicherung)と家財保険(Hausratsversicherung)。契約はスマホアプリを使ってわずか数分で締結できる。損害が発生した場合もスマホで連絡を受けてから2時間以内に判断を下し、携帯電話や自転車などの単純な損害であればその日のうちに保険金を支払う。単純な損害は全体の60%を占めると予想している。年内に生保商品も市場投入し、その後はさらに自動車保険、医療保険にも手を広げる予定だ。
顧客獲得に向けては保険仲介プラットフォームを運営するヴェフォックス(Wefox)の協力を受ける。再保険はミュンヘン再保険が引き受ける。
ワンはリヒテンシュタインでも保険業免許を取得した。将来的には欧州全域でフルライセンスを獲得する考えだ。
ワンとヴェフォックスにはベンチャーキャピタルファンドの運用・管理を手がける日本のSBIインベストメントが出資している。