中国・吉利汽車がダイムラー株取得か

中国の自動車大手、吉利汽車が高級車大手の独ダイムラーに出資するとの観測が浮上している。中国金融情報ポータルJRJCが報じたもので、同株3〜5%を取得するという。両社は報道内容へのコメントを控えているものの、否定もしていない。

独『ハンデルスブラット』紙によると、吉利は昨年11月、転換社債の発行を通した出資をダイムラーに打診した。ただ、この時は既存の株主よりも有利な条件を迫ったため、ダイムラーは株主の不平等な待遇は受け入れられないとして拒否したという。

ダイムラーは個人投資家が株主全体の71.2%を占め、浮動株比率が高いことから、市場で株式を購入しやすい状況にある。ただ、吉利が仮に3%以上を取得した場合は、ドイツ法の規定により公表が義務付けられる。

同社の筆頭株主はクウェート投資庁で、出資比率は6.8%。これに米資産運用大手のブラックロックが5.83%、戦略提携先のルノー/日産が計3.1%、米資産運用大手のハリス・アソシエイツが3.01%、ノルウェー中央銀行が2.99%で続く。

吉利は2010年、スウェーデンの乗用車大手ボルボ・カーズを買収した。中国は大気汚染が深刻なため、政府は電動車の普及加速政策を取っており、ボルボ・カーズはすでに、19年以降に市場投入する車両をEVとハイブリッド車(HV)に絞り込む方針を示している。

上部へスクロール