独再生可能エネルギー大手のイノジーは14日、オーストラリアの太陽光発電プロジェクト2件を現地のプロジェクト開発会社オーバーランド・サン・ファーミングから譲り受けることで合意したと発表した。ソーラー発電事業を強化することが狙い。日照量が多い豪州で太陽光発電市場に参入する。
豪東南部ニューサウスウェールズ州のプロジェクト2件を取得する。発電容量は計400メガワット(MW)強。イノジーは今後、当局の承認などを受けて年内に着工し、両プロジェクトとも来年末までに完工させる考えだ。オーバーランドとの取得価格は明らかにしていないものの、プロジェクトの権利も含め総額4億ユーロ強を投じる。オーストラリアでは蓄電と陸上風力発電事業の立ち上げも視野に入れている。
イノジーはこれまで風力発電を中心に事業を展開。ソーラー発電事業の規模は小さかった。だが、屋外設置型太陽電池と蓄電用の大型バッテリーの開発・製造からメガソーラーの運営を手がける垂直統合型の企業、ベレクトリック・ソーラー・アンド・バッテリーを昨年に買収したことで同分野のノウハウを獲得し、今回の取引を実現した。ベレクトリックはソーラー事業拡大のカギを握っている。