風力タービンのシーメンス・ガメサ、コスト20億ユーロ削減へ

電機大手シーメンスの風力発電タービン子会社シーメンス・ガメサは15日、2020年までにコストを20億ユーロ圧縮する計画を発表した。業界の厳しい環境を背景に利益が圧迫されているためで、調達、製造事業、製品の種類などを見直していく。従業員についても全体の約4分の1に当たる最大6,000人を削減する考えで、売上高営業利益率(EBITベース)を昨年度の7.1%から20年には8〜10%へと引き上げる。

同社はシーメンスの風力発電機事業と再生可能エネルギー発電設備製造の西ガメサの合併で昨年4月に誕生した企業。シーメンスが59%を出資している。

コスト削減20億ユーロのうち4億ユーロは合併のシナジー効果で実現する考えだ。従来は19年までに2億3,00万ユーロのシナジー効果を目指していたことから、目標を引き上げたことになる。コスト削減の残り16億ユーロは人件費の低い国への生産移管や製品・技術の集約、事業効率の改善、人員削減などを通して実現していく。

風力発電タービン業界では陸上発電部門を中心に競争が激化している。市場が飽和しているうえ、再生エネ電力の買い取り価格引き下げや入札制度の導入を背景に価格圧力が高まっているためだ。マルクス・タッケ社長は「最良の製品を手頃な価格で提供していきたい」と述べ、価格競争力の強化方針を鮮明に打ち出した。

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