バイエル、モンサント買収で競争上の追加是正策提示

独製薬・化学大手のバイエルは5日、米農業化学大手モンサントを買収する計画について、EUの欧州委員会に新たな競争上の是正策を提示したことを明らかにした。これを受けて欧州委は買収審査の期限を4月初めまで延長し、改めて買収の可否を判断する。

バイエルは2016年9月、モンサントを最大660億ドルで買収することで合意した。これに関して欧州委は17年、農薬、野菜の種子などの分野で両社が大きなシェアを持ち、とくに雑草に効力があるが作物には影響を及ぼさない選択性除草剤で競争が阻害される恐れがあるとして承認を見送り、本格的な調査を進める方針を打ち出していた。

バイエルは欧州委が指摘する競争上の問題に対応するため、10月に農薬・種子事業の一部を独BASFに59億ユーロで売却することで合意したと発表。さらに、追加で何らかの措置を講じる意向を表明していた。

新たな是正策の内容は不明だが、消息筋がロイター通信に明らかにしたところによると、EU内の一部の国の野菜種子事業を売却することを提案したもようだ。

欧州委は審査期限を3月12日から4月5日に延長し、バイエルの提案を精査しながら買収を承認するかどうかを決める。

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