イタリアの運輸インフラ会社アトランティアとスペイン建設大手ACSは14日、スペインの有料道路運営会社アベルティスを共同買収することで合意したと発表した。アベルティスをめぐる買収合戦を繰り広げていた2社が手を組む形となる。
伊ベネトン一族系企業のアトランティアは2017年5月、アベルティスに163億ユーロでの買収を提案した。イタリア国内に集中している事業基盤の拡大が目的で、誕生する新会社は世界最大の道路運営企業となるはずだった。
しかし、ACSがアトランティアに対抗し、独子会社ホーホティーフを通じてアベルティスを171億ユーロで買収する計画を10月に発表し、買収合戦に発展していた。
合意によると、まずホーホティーフがアベルティスの全株式を181億8,000万ユーロで取得。アトランティアとACSが設立する持ち株会社に同株式を移管する。持ち株会社の出資比率はアトランティアが50%プラス1株となる。残る株式はACSとホーホティーフが保有する。
アトランティアとACSは今回の共同買収を機に提携することでも合意した。その一環としてアトランティアはホーホティーフの株式約25%を取得する。
アトランティアは単独でアベルティスを買収したい考えだったが、スペイン政府がアベルティスが外資の手に渡ることに難色を示したことなどから、スペインのACSと共同で買収することを決めたとみられている。