ヘンケル―西スパークリングワイン最大手を買収―

独食品大手エトカーのスパークリングワイン子会社ヘンケル(Henkell、ヴィースバーデン)は17日、スペイン・カタルーニャ州の同業フレシネ(Freixenet)を買収することで合意したと発表した。国際事業を強化することが狙いで、フレシネ創業家との間では新規市場と販売ルートの開拓で協業することも取り決めた。取引の成立には独禁当局の承認が必要。

フレシネ株50.67%を創業家から譲り受けることで合意した。取得価格は非公開。独食品業界紙『レーベンスミッテル・ツァイトゥング』によると、フレシネの時価は4億4,000万ユーロで、ヘンケルは約2億2,000万ユーロを支払ったという。買収交渉は2年以上前に開始。カタルーニャ州独立問題が響いて長期化したもようだ。

フレシネはスペインのスパークリングワインであるカヴァの最大手メーカーで、「フレシネ」のほか、「メドラノ」「ミーア」などのスティルワイン(非発泡性ワイン)も手がける。世界109カ国で製品を販売しており、2016年の売上高は5億3,500万ユーロに上った。

ヘンケルは「ヘンケル・トロッケン」や「フュルスト・フォン・メッテルニヒ」などのゼクト(ドイツのスパークリングワイン)やプロセッコ(イタリアのスパークリングワイン)の「ミオネット」、蒸留酒「ウオッカ・ゴルバチョフ」「フュルスト・ビスマルク」を手がける企業で、2016年の売上高は6億9,130万ユーロだった。今回の買収により、売上高は10億ユーロを突破し、競合ロートケップヒェン・ムム・グループを抜いて独最大手となる。

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