電機大手の独シーメンス(ミュンヘン)は9日の決算発表で2018年9月通期の利益見通しを引き上げた。18年1-3月期(第2四半期)の利益が予想を上回ったためで、1株当たりの利益を従来の「7.2~7.7ユーロ」から「7.7~8ユーロ」へと上方修正した。純利益で62億5,000万~65億ユーロを見込んでいることになる。
第2四半期の税引き後利益は前年同期比39%増の20億1,800万ユーロへと拡大した。繰延税金負債の取り崩しのほか、仏IT大手アトスの保有株で帳簿上の利益9億ユーロを計上したことが大きい。
同社が重視する製造部門の利益は8%減の22億5,400万ユーロへと落ち込んだ。火力発電設備部門(パワー・アンド・ガス)で74%減の1億1,400万ユーロへと激減したことが響いた格好だ。ガス・蒸気発電用大型タービンの市場規模が2015年比で半減していることから、新規受注が低迷。同部門はメンテナンスなどのサービス事業でかろうじて利益を確保している。
デジタルファクトリー部門の利益は40%増の6億8,200万ユーロへと拡大した。製品ライフサイクル管理(PLM)ソフト事業が好調だった。
売上高は横ばいの201億4,100万ユーロにとどまった。為替差損が響いたためで、新規受注高も2%減の223億1,800万ユーロと振るわなかった。