連邦統計局のデータをもとにドイツ機械工業連盟(VDMA)が10日発表した独機械業界の2016年の外国直接投資残高は前年比8.9%増の390億1,200万ユーロへと拡大した。伸び率は前年の15.9%を下回ったものの、なお大きい。顧客企業のある国で現地生産やサービス、販売を行う動きが強まっていることが背景にあり、VDMAの主任エコノミストは「各市場の特殊な条件に直接、対応できるよう顧客のそばにいることがますます重要になっている」と述べた。
直接投資残高が最も多い投資先国・地域は欧州連合(EU)で、シェアは32.3%(額126億ユーロ)に上った。これに米国(シェア28.6%、額111億ユーロ)、中国(15.4%、60億ユーロ)が続く。EU加盟国のシェアではフランスの4.9%が最高で、2位は英国(3.9%)だった。対英残高は16年のEU離脱決定を受けて25%減の15億ユーロへと大きく落ち込んだ。
一方、外国企業がドイツで行う機械分野の直接投資の残高(16年)は169億4,600万ユーロとなり、前年を0.2%下回った。過去最大となった14年(181億1,100万ユーロ)から2年連続で後退した。
最大の投資元国・地域はEUで、全体の53.5%を占めた。EUからの投資ではその約6割をオランダ(同17.2%)とルクセンブルク(14.4%)が占めている。背景にはEU域外の企業の多くが両国にある子会社を通して対独投資を行っているという事情がある。日本は11.0%で、国別4位に付けた。(下のグラフ参照)