ドイツ連邦統計局が5月30日発表した同月の消費者物価指数(速報値)は前年同月比2.2%増となり、昨年2月以来の高い伸びを記録した。インフレ率は前月(1.6%)を0.6ポイント上回っており、急速に上昇した格好だ。暖房油と自動車燃料がけん引する形でエネルギーの上げ幅が前月の1.3%から5.2%へと大きく拡大したことが反映された。物価に占める比重が52%に上るサービスの上昇率が1.5%から1.9%へと高まったことも大きい。食料品は3.5%増と、前月(3.4%増)に引き続き大きく上昇した。
消費者物価は前月比の上昇率も0.5%と大きかった。
欧州連合(EU)基準のインフレ率は前年同月比が2.2%、前月比が0.6%で、前年同月比は欧州中央銀行(ECB)が適正水準とする2%弱を上回った。石油価格が高止まり、ないしさらに上昇すると、インフレ率は2%超の高い水準が定着する可能性があり、ECBへの利上げ圧力が高まりそうだ。