ドイツ銀行(フランクフルト)は24日、フルタイム勤務の行員数を現在の9万7,000人強から「9万人を大幅に下回る水準」へと削減すると発表した。業績改善とコスト削減に向けた措置で、7,000人以上が整理されることになる。リストラ費用で最大8億ユーロを見込む。
人員整理の中心をなすのは投資銀行部門で、株式業務分野では約25%の行員を削減する。現物株式取引では今後、電子ソリューションと重要顧客との取引に経営資源を集中。ヘッジファンド向けの融資は大幅に縮小する。クリスティアン・ゼーヴィング頭取は投資銀行業務を今後も国際的に展開すると強調しながらも、「うまくやれる分野に集中しなければならない」と述べ、業務と地域の選別が必要不可欠だとの立場を示した。
同頭取は4月上旬の就任声明で、調整済みベースのコストを今年は230億ユーロ以内に抑制することを至上命令とする意向を表明した。今回の発表では、来年は同220億ユーロに圧縮する目標を打ち出した。金融危機への免疫力を示す指標である有形自己資本利益率(RoTE)については2021年以降、約10%を確保する考えだ。
同行は4月下旬、収益力強化に向けた施策の大枠を発表した。米国を中心に投資銀行業務を縮小することが柱。管理職のスリム化も行う。