欧州委、中国製熱延鋼矢板の反ダンピング調査開始

欧州委員会は5月24日、中国製の熱間圧延鋼矢板に対する反ダンピング(不当廉売)調査を開始すると発表した。欧州鉄鋼連盟(EUROFER)の要請に応じたもので、最長15カ月をかけて調査を進める。

熱間圧延鋼矢板は主に建材として使われる。欧州委が官報で明らかにしたところによると、EUROFERから中国の鉄鋼メーカーが同製品を不当な廉価で輸出し、域内メーカーを圧迫しているとの苦情を受けたことから、反ダンピング調査の開始を決めた。

欧州連合(EU)は調査中にダンピング行為が明白になった場合、調査開始から9カ月以内に期間6カ月の暫定措置として反ダンピング関税を適用することができる。最終的にダンピングによって域内メーカーが損害を受けていると判断した場合は調査終了時から5年間にわたり反ダンピング関税が適用される。

EUは供給過剰によって国内での行き場を失った中国の鉄鋼製品がEUに安価で流入していることを問題視しており、これまでに17件の反ダンピング、反補助金措置を発動している。

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