独英資本の半導体大手ダイアログ・セミコンダクター(ロンドン)は5月31日、米アップルのスマートフォン「iPhone」向けに今年、供給する同社製メイン電力管理集積回路(PMIC)の規模が当初予想を30%下回る見通しを明らかにした。アップルは主要部品の内製化に動いており、その影響を受けたもようだ。ダイアログのジェラル・バヘリ最高経営責任者(CEO)は、アップルは必要とするチップをほぼ間違いなく自製するとの見方を示した。
ダイアログは売り上げの8割をアップルとの取引で獲得している。このため、今回の発表を受けて同社の株価は急落した。同社は声明で、アップルのサプライヤーとしての今後の役割は技術、品質、価格、生産量の面でアップルの要求を満たせるかどうかにかかっていることを明らかにした。今回のメインPMIC受注減は今年の売り上げを5%押し下げる要因になるとしている。
アナリストはアップルの内製強化の理由を、ソフトとハードウエアの相性を改善したいという思惑があるためと説明している。
アップルはこれまで、メインPMICをすべてダイアログから調達してきたとみられる。ロイター通信によると、次期iPhone3モデルのうち少なくとも1モデルでダイアログ製メインPMICを採用しない考えという。