ドイツ連邦統計局のデータをもとに連邦経済省が7日発表した4月の製造業新規受注指数(暫定値)は物価・季節要因・営業日数調整後の実質で前月を2.5%下回り、4カ月連続で落ち込んだ。4カ月連続の減少はリーマンショックが起きた2008年以来で、およそ10年ぶり。経済省は貿易環境の悪化がどの程度、影響しているかは判断が難しいと慎重な見解を示したものの、独商工会議所連合会(DIHK)のエコノミストはロイター通信に、米トランプ政権の保護主義政策に伴う通商摩擦が企業の先行き懸念を大幅に強めているとの見方を示した。ラムペ銀行のエコノミストは景気が失速したかどうかは5月の経済指標が発表されれば明らかになるだろうと述べた。
4月の製造業受注は投資財部門が特に振るわず、前月を5.6%割り込んだ。航空機・鉄道車両・船舶が35.9%も落ち込んだことが最大の押し下げ要因で、これを除くと製造業受注の減少幅は0.6%にとどまった。機械も6.9%減と大きく後退した。投資財の減少幅はユーロ圏(ドイツを除く)で15.5%と大きく、国内も5.8%に上った。
消費財は2.2%減少した。ユーロ圏が6.5%、ユーロ圏外が2.1%の幅で後退。国内は0.6%増加した。
中間材は2.5%増加し、4カ月ぶりに拡大した。ユーロ圏外が20.8%増と大幅に伸びたことが大きい。国内は4.6%減、ユーロ圏は1.6%減だった。
4月の製造業受注を地域別でみると、足かせとなったのはユーロ圏と国内で、それぞれ9.9%、4.8%減少した。ユーロ圏外は5.4%増となり、4カ月ぶりに拡大へと転じた。
製造業受注を特殊要因による統計上のブレが小さい2カ月単位の比較でみると、3〜4月は前期の1〜2月を実質2.4%下回った。ユーロ圏が6.1%減と特に振るわなかった。