ロシュ―がん遺伝子検査子会社を完全傘下に―

スイス製薬大手ロシュ(バーゼル)は19日、がん遺伝子解析子会社の米ファンデーション・メディシン(FMI)の株式を買い増し完全傘下に収める計画を発表した。がんオーダーメイド医療事業を強化する狙い。

株式公開買い付け(TOB)でFMIへの出資比率を現在の56%から100%へと引き上げる。買い付け価格は1株当たり現金137ドル。これは前日終値を29%、過去6か月間の加重平均株価を68%上回る水準で、FMIを53億ドルと評価したことになる。

ロシュは2015年、FMIを買収した。このときの買い付け価格は1株50ドルにとどまっており、FMIの時価総額はこの間に2.7倍に拡大した計算だ。

FMIは従業員数660人の中堅企業。昨年の売上高は1億5,290万ドルで、純損失1億6,150万ドルを計上した。

ロシュはがん治療薬の世界最大手メーカー。医療診断製品分野でも高い競争力を持つ。

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