世界銀行とアジアインフラ投資銀行(AIIB)がトルコの天然ガス事業に総額12億米ドルを融資する。中部に位置するトゥズ湖地下貯蔵施設の能力強化が目的。トルコは2023年の建国100周年を視野に、同施設の22年中の全面稼働を目指す。
計画によると、トゥズ湖地下貯蔵施設の拡張は2段階に分けて実施される。来年か再来年に第1段階が、2022年に第2段階が完了し、ガス網の供給能力を示す払出能力は現行の年10億立方メートルから54億立方メートルへ急増する。
トルコはマルマラ海の枯渇ガス田を利用したシリヴリ天然ガス貯蔵施設の拡張も進めており、2020年までに年間払出能力が現行の23億立方メートルから50億立方メートルへ拡大する見通しだ。これら2つのプロジェクトで国内の貯蔵能力は全体で11億立方メートルを超えることになる。
アルバイラク・エネルギー天然資源相によると、天然ガス貯蔵能力の強化は、トルコを地域の天然ガス取引基地にする政府戦略に基づくものだ。同戦略の枠内で実施されている計画としては、「トルコ・ストリーム」や「アナトリア横断天然ガスパイプライン(TANAP)」といった輸送管敷設プロジェクト、アリアー及びハタイの液化天然ガス(LNG)海上受入基地(FSRU)整備などがある。