チェコの政府系投資促進機関、チェコ・インベストメントが先ごろ明らかにしたところによると、昨年に同機関が支援した国内での投資成約件数は106件、総投資額は650億コルナ(24億9,160万ユーロ)に上った。そのうち3分の1がハイテク技術関連で、技術開発や研究開発を志向するものだった。同機関は今後もハイテク分野や研究開発に対する投資促進策を拡充していく考えだ。
106件のうち80件はチェコに既に進出している企業が事業拡張を目的として行ったものだった。現在、83件が投資促進プログラムの利用を検討している模様だ。
チェコ・インベストメントのイロトコバ理事長は発表の中で、「新たな投資家は昔ほどチェコに来てくれない。技術力を必要としない単純な生産事業では多くを呼び込めない」と話した。同理事長によると、技術的に要求水準の高い投資や研究開発関連投資を増やすため、より強力な投資インセンティブを来年から導入する予定。同氏は、改正される投資促進法ではテクノロジーや戦略的なサービスに関連した事業への投資が考慮されると述べた。
昨年の投資成約案件のうち既に国内で事業を行っている企業の投資額は合計で535億コルナだった。外国企業による新規の国内投資は26件で投資額は計121億コルナ。国別ではドイツが17件で首位を占め、それに米国が10件、日本が7件で続いた。
分野別件数では金属加工業が多く21件(投資額116億コルナ)を占めた。それに輸送機器が16件(179億コルナ)で続いた。近年大きく成長しているIT・ソフトウエア開発は10件(16億コルナ)だった。
企業別では独シーメンスが70億コルナでトップ。同社はチェコ国内の各事業所を拡張すると共に開発センターも設ける予定。2位のプラハワクチン(Praha Vaccines)は25億コルナを投じてポリオなど感染症向けワクチンの生産を拡大する。その他上位企業には、冷凍パンなどを製造するLa Lorraine、製紙工場を拡張するOPパピールナ及びシュコダ自動車などがある。(1CZK=5.00JPY)