自動車部品大手コンチネンタルのエルマー・デーゲンハルト社長は同社が検討している電動車向け電池事業への参入構想を経済紙『ハンデルスブラット』のインタビューで明らかにした。開発提携先を適切なタイミングで見つけられるかがカギを握るとみている。
電気自動車(EV)など電動車には現在、リチウムイオン電池が搭載されている。同電池のセル分野では日中韓メーカーの競争力が高く、欧州企業が参入する余地はないものの、次世代電池の本命と目される全固体電池であれば可能性がある。ただ、リスクが大きいのも事実で、競合ボッシュは2月末、車載電池セルの生産に参入しないことを決定した。デーゲンハルト社長はボッシュの決定に理解を示しながらも、その判断を共有はしていないことを明らかにした。
同社長は欧州企業が車載電池の生産事業に参入するためには、研究開発や電力価格の面で政府が支援するほか、開発パートナーの獲得が必要不可欠だとの認識を示した。全固体電池実用化の「ブレイクスルー」の壁は高いためだ。
ただ、ブレイクスルーを果たした企業と開発提携すると、コンチネンタルは多額の費用を支払わなければならないうえ、提携の力関係でも不利になるため、ブレイクスルー前の企業と提携することが重要だとしている。
同社は全固体電池が実用化される時期を2025年以降と予想しており、電池部門を新設するかどうかの決定を21年以降に下す見通しだ。