ECB総裁、超低金利政策の維持を確認

欧州中央銀行(ECB)は26日に開いた定例政策理事会で、現行金融政策の維持を決めた。主要政策金利を0%、中銀預金金利をマイナス0.4%に据え置く。一方、ドラギ総裁は記者会見で、超低金利政策を少なくとも2019年夏まで継続する方針を改めて表明した。

ECBは6月の理事会で、欧州で緩やかな景気回復が続いていることを受けて、ユーロ圏の国債などを買い入れる量的金融緩和を年内に終了することを決めた。毎月の購入額を9月から半分の150億ユーロに削減した上で、来年1月から購入を打ち切る。しかし、金利については米国との貿易摩擦といった不安要素があることから、当面は現行水準を維持することを決定。ドラギ総裁は少なくとも19年夏までは利上げを見送る方針を打ち出していた。

ドラギ総裁は今回の理事会後の記者会見で、ユーロ圏の景気は堅調を維持しているものの、なお緩和的政策で下支えする必要があるとして、同方針を確認した。

ECBの金利政策をめぐっては、米トランプ大統領が超低金利を維持することでユーロ安・ドル高に誘導し、貿易で有利になるようにしていると批判している。これにドラギ総裁は「為替相場を政策目標とはしていない」と反論。世界的な金融危機からの回復が、ユーロ圏は米国より遅れたことにも言及し、利上げ見送りの妥当性を強調した。

上部へスクロール