東風汽車、カザフに工場設立か

中国自動車大手の東風汽車がカザフスタンに工場を設置することを計画している。中央アジアのニュースサイト「カスピアンニュース」が7月23日、カザフスタン側の関係者の話として報じたもので、投資額は当初5億ドル、最終的には30億ドルとなる予定。主に大型トラックを生産するほか、将来的には小型飛行機も製造する。建設予定地はロシアとの国境から40キロメートルにあるペトロパブルで、敷地面積は165ヘクタール。生産開始は2024年以降となる見通しだ。

同関係者はペトロパブルが選ばれた理由として、かつての工業都市で機械工業の中心地であったこと、シベリア鉄道へのアクセスが良いことを挙げた。一方で部品を現地調達しなければ生産コストを下げられないとの課題にも言及した。

カザフスタンでは近年中国企業の進出が続いている。同国における2016年時点の中国企業の数は668社で、13年から35%増加した。投資対象となったカザフスタンの企業数は2,700社に上る。投資先には石油大手ペトロカザフスタンを始め、ガス会社のアクトベムナイガス、カラザンバスムナイガス、ウラン鉱山のイルコルなどがある。また、両国の国境にはコルゴス自由貿易地域が設定されている。

直近では2017年に中国機械進出口がカザフスタンの自動車大手アリュールの株式51%を取得した。中国側が部品を供給し現地で組み立てを行い、中堅自動車メーカーの安徽江淮汽車(JAC)の車両として輸出する予定だ。

中国によるカザフスタンへの過去12年間の直接投資の規模は140億ドルで、上位5位以内に位置している。2017年の両国間の貿易額はカザフスタンの輸出額が58億ドル、輸入が47億ドルだった。貿易総額は2016年に比べ25%増と急増している。

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