リトアニアのブドウ栽培者協会によると、今年は過去35年以来で最高の当たり年となりそうだ。同国には同協会の会員50軒のほか、100軒のブドウ農家があり、世界に「ワイン生産国」として認められるよう取り組んでいる。
ステポナス・プイパさんもその一人だ。自ら54品種を育て、「リトアニアでも高品質のブドウが育つ」と胸を張る。リトアニアに適した新品種がすでに見つかっているという。
しかし、ワイン専門家のヨランタ・スミチエンさんは慎重だ。「リトアニアは気候こそドイツやオーストリア、北フランスと似ているが、ぶどうには土地が肥沃すぎる」と考える。また、「ワイン農家の経験というのも重要で、100年ぐらいの積み重ねが必要だろう」と指摘する。
ワイン用ブドウ栽培の北限はかつて北緯50度とされていたが、温暖化の影響もあり徐々に北上している。リトアニアはおおよそ北緯54度~56度の間に位置している。