高級車大手の独ダイムラーが超小型車ブランド「スマート」の電気自動車(EV)モデルを中国で合弁生産する方向で交渉しているもようだ。ブルームバーグ通信が消息筋の情報として報じたもので、現地提携先である北京汽車(BAIC)の電動車子会社、北汽新能源(BJEV)と協議しているという。同社は報道内容へのコメントを控えている。
BAICは中国におけるダイムラーの主要パートナーで、2004年から提携関係にある。これまでは協業分野が内燃機関車に限られていたが、今後は急速な市場成長が見込まれる電動車にも拡大する考え。ダイムラーはその第一歩として3月、BJEVに3.93%出資することを明らかにした。
ダイムラーは中国同業の比亜迪汽車(BYD)と共同で設立した現地合弁会社BYDダイムラー・ニュー・テクノロジー(BDNT)ですでに、EV「騰勢(DENZA)」を生産している。新たにBJEVとのEV合弁生産を目指す背景には、新車販売の一定割合以上をEVなどの新エネルギー車(NEV)とすることを義務づける規制が中国で来年から始まることがある。