イラン事業から撤退するドイツ企業が増えている。米国のイラン制裁再開を踏まえた措置で、電気通信大手のドイツテレコムは5月にイランから撤退。ドイツ鉄道(DB)は現地時業の凍結を余儀なくされた。経済誌『ヴィルトシャフツボッヘ』が両社の確認を得た情報として16日付で報じた。同国からはすでに自動車大手ダイムラーや機械大手デュル、ヘレンクネヒトも撤退している。
テレコムは子会社デテコン(Detecon)を通して現地の固定網通信事業者、イラン電気通信会社(TCI)と移動通信事業者MTNイランセルにコンサルティングサービスを提供してきたが、5月18日付で打ち切った。
テレコムは4月末、米移動通信子会社TモバイルUSをソフトバンクの米子会社スプリントと合併することで合意した。米国の制裁を無視してイラン事業を継続すると、同合併計画に対する承認を米当局から得られなくなる恐れがあるため、イランから撤退した。
DBでは2017年、子会社エンジニアリング・アンド・コンサルティングがイランの鉄道会社ボンヤード・イースタン・レイルウェイとイラン国鉄RAIと契約を締結。ボンヤードに対しサービスの改善、RAIに対し企業再編計画の策定でそれぞれコンサルティングを行ってきた。DBは現地事業凍結の理由として、銀行がイラン取引の決済サービスを拒否するようになったことを挙げた。