ユーロ圏の金融安全網である欧州安定メカニズム(ESM)は6日、ギリシャに150億ユーロの追加融資を実施したと発表した。ギリシャは20日に金融支援が終了することになっており、これが最後の融資となる。今後は国債発行により、自力で財政再建を進める。
2010年に深刻な債務危機に陥ったギリシャは、2010年から12年にかけてEUと国際通貨基金(IMF)から総額2,400億ユーロの金融支援を取り付け、財政再建に取り組んできた。しかし、15年に反緊縮を掲げるチプラス政権が発足し、金融支援継続が不透明となったことで状況が悪化したため、2015年にEUが総額860億ユーロに上る第3次支援の実施を決定。これでようやく危機が沈静化し、8月20日に支援が終了することが決まった。
今回の追加融資は、ユーロ圏が6月に開いた財務相会合で実施を決めていたもの。うち95億ユーロを財政バッファーの積み増しに充てる。これによって手持ち現金が資金需要の22カ月分に相当する240億ユーロまで増えることになる。残る55億ユーロは債務返済に回す。