中東欧、景気減速へ

中東欧で経済規模が最も大きいポーランドと2位のチェコで、景気が減速し始めている。両国の今年4-6月期(第2四半期)の成長率は1-3月期(第1四半期)の実績をいずれも下回った。金融コストの上昇、人手不足、主要輸出先であるユーロ圏の景気減速が主な理由。米国の貿易政策によるリスクも高まりつつある。

ポーランドとチェコの第2四半期経済成長率はそれぞれ5.1%、2.3%となり、前期実績の5.2%、4.2%を下回った。チェコでは人手不足に加え、貿易戦争の懸念から、自動車や電子機器などの外需が縮小したのが響いた。

一方、ハンガリーとルーマニア、スロバキアはそれぞれ4.6%、4.1%の成長を記録し、第1四半期実績を上回った。

数値を見る限り中東欧経済は未だ好調だが、ビークを超えた兆候が出始めている。チェコとルーマニアではインフレ圧力の高まりを受けて利上げも実施された。

投資会社キャピタル・エコノミクスは、今年から来年にかけて中東欧の成長率が次第に低下すると予測している。その理由として、インフレ率・金利上昇に加え、いくつかの国が内需の勢いをそぐ金融政策を実施していることを挙げた。また、ユーロ圏の需要縮小と、人手不足による供給能力の限界で貿易が伸び悩む懸念があると指摘した。

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