独自動車大手フォルクスワーゲン(VW)は23日、VWブランド乗用車のデジタル化計画を発表した。車両をモノのインターネットの端末とするとともに、同社自身と外部の幅広いサービスをクラウドベースで提供。デジタルサービスなどの売上高を10億ユーロの大台に乗せる考えだ。2025年までに総額35億ユーロのデジタル投資を実施する。
VWではこれまで、各車載制御機器にソフトウエアを搭載し機器を制御してきた。この結果、1台の車両にソフト一体型の機器が最大70種類も搭載されるようになっている。20年以降は車載機器の制御を統括する基本ソフト「vw.OS」を搭載し、ITアーキテクチャーを大幅に簡素化する。
20年からはまた、すべての車両をコネクテッドカーとし、VW車の利用者が例外なくデジタルサービスを受けられるようにする。同サービスにはクラウドベースのプラットホーム「ワン・デジタル・プラットホーム(ODP)」を利用。これを通してVW自身と提携先のサービスを幅広く提供していく。vw.OSとODPの投入により、車載ソフトのアップデートを顧客がディーラーに出向くことなく行えるようになる。
ODPはVWブランド乗用車が開発し、VWグループ全体で利用する。
ソフト分野ではグーグルなどのIT大手が自動車メーカーよりも優れた技術を持っている。VWはこの遅れを挽回するために今後、提携や買収を積極的に行う考えだ。