家庭用浄水器のスタートアップ、ダノンなどから資金調達

家庭用浄水器を製造する独スタートアップ企業ミッテミッテ(mittemitte、以下ミッテ)が仏食品大手ダノンなどから事業資金1,060万ドルを調達した。創業者のモリッツ・ヴァルトシュタイン社長がロイター通信に明らかにしたもので、米国事業の立ち上げや欧州事業の強化に調達資金を投入する考えだ。

ミッテはベルリンに拠点を置く2016年設立の企業。同社の浄水器は水道水を浄化するだけでなく、専用のカートリッジを用いて好みのミネラル成分を添加できる。ヴァルトシュタイン社長は「環境に優しいシステムで作った健康な水により生活を改善することがミッテの使命だ」と語った。

ダノンは「エビアン」「ボルビック」などのブランドでミネラルウォーター事業を展開している。ミネラルウォーターは樹脂製の包装容器を用いることから近年、海洋汚染などの原因と目されており、メーカーは批判を受けている。

米飲料大手ペプシがこのほど、家庭用炭酸飲料製造機を手がけるイスラエルのソーダストリームを買収した背景には、こうした事情があるとみられる。

ダノンは傘下の投資ファンド、ダノン・マニフェスト・ベンチャーズを通してミッテの少数株主持分を取得した。同ファンドの責任者は「ミッテを脅威とはみていない。容器入りミネラルウォーターにはまだ未来がある。ミッテについてはミネラルウォーター事業の成長を補完するものと考えている」との立場を示した。

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