中国家電大手のハイアールは今後4年間で欧州の販売、マーケティング事業に総額10億ユーロを投資する考えだ。低迷する現地市場シェアの拡大が狙いで、同地の企業の買収も模索している。ハイアール・ヨーロッパのYannick Fierling最高経営責任者(CEO)が30日、明らかにした。
同社は大型白物家電の世界最大手メーカーで、世界市場シェアは14.2%に上る。中国では同22%強、北米でも約20%と高い。だが、欧州は2.3%に過ぎず、低空飛行が続いている。
欧州ではミーレやボッシュなど現地メーカーに対する消費者の信頼感が高く、これがハイアールのシェア拡大の大きな障壁となっている。こうした現状を打破するために販売・マーケット活動を強化。今後4年間の投資額を過去4年間の10倍へと拡大し、ブランドイメージの向上や英子会社フィッシャー・アンド・パイケルの強化に取り組む。また、現在8カ所にとどまる欧州拠点を19カ所へと拡大する。これまで進出してこなかった北欧や南東欧市場への参入も図る考えだ。